歯のはなし

「呼吸」と「食事」と「睡眠」

人間が生きていくのに不可欠な3大要素は、「呼吸」と「食事」と「睡眠」です。このうち、最も大切なのが「呼吸」で、人は呼吸が5分も止まれば死んでしまいます。次に大事なのは「食事」です。食べ物をとらないと、呼吸に必要なエネルギー源が供給されないので、やっぱり死に至ってしまいます。

3つ目は「睡眠」ですが、これは生命維持活動には直接関係がないように見えて、実はそうではありません。睡眠が生命維持に不可欠であることを理解するには、まず、生命活動に対する重力エネルギーの影響について考える必要があります。

脊椎動物の骨格をなす骨と軟骨は、エネルギー物質およびエネルギーを生産するシステムです。人間が重力に抗して立ち、約5キログラムもの頭を160センチメートルほどの高さに支えるには、驚くほどのエネルギーが必要なのです。それで昔から仕事の後には「骨休め」が必要とされてきました。

頭脳労働も同じです。脳は血液によって送られてくる栄養と酸素で細胞呼吸することによって活動しています。この血液は、骨髄と腸で作られます。このように重要な役割を担っている骨髄を重力から解放するために骨休めが必要になるのです。

この「骨休め」というのが、睡眠であったり温泉療法であったりするわけですが、人の身体はこの「睡眠」中に、ある重要な働きをするのです。

骨髄が新陳代謝をする-つまり造血する-のは、人が睡眠をとっている間だけです。睡眠が不足すると白血球減少症や血小板減少症、再生不良性貧血、白血病、悪性リンパ腫などの血液疾患にかかりやすいといいます。これは、睡眠時間が少ないと、人の身体を正常に維持するための血液が充分に作られないからです。

現代の日本人は、人間が生きていく上で必要不可欠な「呼吸」と「食事」と「睡眠」の3つの重要な生命維持活動を、ないがしろにするような悪い生活習慣がついてしまっているようです。

この「呼吸」と「食事」と「睡眠」の重要性をよく理解して、今一度あなた自身や家族の生活習慣を見直してみてください。